インターロイキン17産生T細胞(Th17)の制御転写因子であるRORγtを発現させた血球系幹細胞を移植したマウスにおいて,接触皮膚炎の減弱が見られた.その減弱には制御性T細胞(Treg)の関与が考えられ,実際に骨髄移植マウスでTregの数が上昇した.しかし,このマウスを長期間飼育すると自己免疫疾患である白斑,脱毛および脱肛が生じた.これは接触皮膚炎で見られた免疫能の抑制とは全く逆の結果であった.そこでTregの活性との関連を検討すべく,Neuropilin-1分子をCD4+T細胞に発現するトランスジェニックマウスの作成を試みたが,目的の遺伝子が挿入されたlitterを得ることが出来なかった.
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