研究課題/領域番号 |
24791135
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
茂木 精一郎 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20420185)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 悪性黒色腫 |
研究概要 |
間葉系幹細胞は、移植した悪性黒色腫内の血管周囲に遊走し、ペリサイトとしての役割を果たし、腫瘍血管新生を促進させる。本研究では、間葉系幹細胞の持つ腫瘍血管新生能におけるMFG-E8の役割をin vivo, in vitroの両方で検討を行う。MFG-E8の機能を検討するために、MFG-E8野生型(WT)および遺伝子欠損(KO)マウスの骨髄由来間葉系幹細胞を用いて比較検討を行った。 まず、マウス骨髄細胞より間葉系幹細胞を誘導し、real-time PCRやELISAにて、MFG-E8が高発現していることを確認した。次に、MFG-E8 WTおよびKOマウスの骨髄より間葉系幹細胞を誘導し、蛍光ラベルした後に、悪性黒色腫細胞とともにマウスに皮下注入し、腫瘍の大きさ、腫瘍内血管量、増殖能などを比較検討した。その結果、WTマウス由来間葉系幹細胞を悪性黒色腫細胞と混ぜて移植した群では、MFG-E8 KOマウス由来間葉系幹細胞と悪性黒色腫細胞を混ぜて移植した群と比べて、腫瘍の成長の促進がみられた。現在、腫瘍の血管量について検討を行っている。また、ヒトの悪性黒色腫においてもMFG-E8の局在、発現の検討を行い、マウスと同様に、MFG-E8は血管周囲、特にペリサイトに供局在がみられた。これらの成果を生かして、2年目には、間葉系幹細胞による腫瘍血管新生能に対する抗MFG-E8抗体の効果を解析し、治療応用への検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、計画した予定通りに研究を進めており、おおよそ予想した結果が得られているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに計画した予定通りに進めることができているため、今後も当初計画した実験を遂行していく。 また、本計画は、課題を限定し、焦点を絞っているので具体的な効果があげられると予想している。
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次年度の研究費の使用計画 |
各種抗体や試薬(PCR, Western blotなど)といった一般試薬費や、マウスの購入費、維持費に使用する。
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