研究概要 |
進行期担癌宿主では、健常者で誘導されるべき免疫反応が誘導されない。この原因の1つである癌細胞のSTAT3持続活性化を、我々が開発した癌微小環境局所で阻害する新規分子標的薬 (rR9-GRIM19) による治療法と、各種がん免疫療法と組み合わせる事で得られる抗腫瘍相乗効果について検討を行った。 過去、我々は内因性STAT3阻害分子 (GRIM19) とpoly-arginine(R9)-protein-transduction domain(R9-PTD)を融合させたfusion-protein(rR9-GRIM19)を作製、その抗腫瘍効果について検討を重ねた。pSTAT3を発現するB16(マウス悪性黒色腫細胞株)の腫瘍塊にrR9-GRIM19を単独で接種しても、ある程度の縮小効果を認めるものの完全拒絶には至らなかった。 rR9-GRIM19 B16腫瘍塊内接種に加え、CpG, rR9-OVA (Th1/Tc1-inducers) を共接種した場合のみB16腫瘍塊の完全拒絶を認めた。また同マウスではメラノーマ特異抗原に対するテトラマーIFN-gamma産生型B16-specific CTLの誘導を認めることを確認した。 以上の結果は、rR9-GRIM19腫瘍内接種法が既存の免疫誘導型がん免疫療法の抗腫瘍効果を増強させる新たな治療法となりうることを示唆している。
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