研究課題
近年同定された複数の皮膚筋炎関連自己抗体は、臨床の場で非常に有用となっているが、ごく一部の施設でしか測定できず、免疫沈降法という短時間で判定するには不向きの方法で行われている。私たちは、in vitro転写翻訳システムを用いて、cDNAを含むプラスミドの調整→市販キットによるビオチン化蛋白発現→ストレプトアビジンをコートしたプレートを用いたcaptured ELISA、といった技術的に容易に行える実験系を確立した。これはT7プロモーターを持ったベクターに入った目的とするタンパクのcDNAさえ所有していれば、1週間程度で自己抗体の特異的検索が行える画期的ともいえる方法である。今回の研究で、新たに自己抗体の存在の有無を調べたタンパクは、約60種から成るファミリーを形成するTRIM (tripartite-motif)タンパクから選んだ。TRIMファミリーのタンパクを選択した理由はそれらが、1.すでに皮膚筋炎の自己抗原として数種が同定されていること、2.自己抗原に多く見られる構造のcoiled-coilモチーフを持つこと、3.ファミリーのタンパクは相互に複合体を形成すること、などである。今回の研究中にDM自己抗原として報告されたTRIM28と、筋肉に多く発現しており、そのタンパクをコードする遺伝子の変異が遺伝性ミオパチーの原因になっていることが判明しているTRIM32を取り上げた。結果的に自施設における皮膚筋炎100例においては、TRIM28、TRIM32に対する抗体は双方とも検出できなかった。
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