研究課題
我々が見いだしたホスホリパーゼCε(PLCε)ノックアウトマウス(PLCε-KOマウス)で ultraviolet B (UVB) による皮膚発癌が亢進する現象に関してイニシエーション時のcyclobutane pyrimidine dimmer (CPD) 生成を調べたところ、PLCε-KOマウスのCPD生成は野生型マウスに比べて低下していることが判明した。さらに紫外線による皮膚免疫機能の変化に重要なinterleukin (IL)-10の発現を調べたところ、PLCε-KOマウスと野生型マウスの間に差がないことが判明した。現在はPLCεを皮膚keratinocyte特異的に強発現するトランスジェニックマウス(K5-PLCε-TGマウス)を使用し、慢性的にUVB刺激を与えた条件下での紫外線皮膚発癌におけるPLCεの関与の確認実験を行っている段階である。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り紫外線皮膚発癌におけるPLCεの役割解析は進んでいる。
1)紫外線皮膚発癌におけるPLCεの役割の解明前年度に引き続きK5-PLCε-TGマウスに慢性UVB刺激を与え、紫外線皮膚発癌におけるPLCε関与の確認を行う。2)乾癬におけるPLCεの関与の解明PLCεの各病態への関与を検討するにあたり、PLCεの下流シグナルの解明は不可欠である。PLCεの作用は主としてPKC分子種により遂行されると考えられるため、本研究で明らかになったPLCεが関与する様々な現象に関与するPKC分子種を同定する。
抗体などの物品購入に際して端数の金額が余り、次年度使用分となった。今年度にその分を入れて抗体や試薬などの物品購入を行う事とする。
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