研究課題
我々が見いだしたホスホリパーゼCε(PLCε)を皮膚keratinocyteを特異的に強発現するトランスジェニックマウス(K5-PLCε-TGマウス)と野生型マウスをそれぞれ10匹ずつ用いて紫外線(Ultraviolet B, 250 mJ/cm2を週3回照射するのを4週間、500 mJ/cm2を週3回照射するのを4週間、その後1000 mJ/cm2を週3回照射するのを37週間)皮膚発癌実験を行ったところ、照射開始45週後にはK5-PLCε-TGマウスは野生型マウスに比べて皮膚発癌が著明に多く発生することが明らかになった。その理由としてはK5-PLCε-TGマウス皮膚でこう発現しているSTAT3により紫外線による角化細胞のアポトーシスが抑制されることにより、紫外線による遺伝子異常を起こした細胞が生き残りやすい状況で遺伝子異常が蓄積された結果、発癌に至りやすいと推定した。またK5-PLCε-TGマウスの創傷治癒能をみる目的でK5-PLCε-TGマウスと野生型マウスの耳に傷をつけ、その回復能を傷作成後30日まで観察して比較したところ、K5-PLCε-TGマウスは野生型マウスに比べ創傷治癒能が高いことが判明した。
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Eur. J. Dermatol
巻: 24 ページ: 112-113
10.1684/ejd.2013.2256.