研究課題/領域番号 |
24791166
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
加藤 裕史 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30570709)
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キーワード | melanocyte / mouse |
研究概要 |
今回我々はマウス真皮におけるメラノサイトの遊走と分化解析を行うため、C57BL/6野生型マウス及びC57BL/6nu/nuマウスを用いてそれらの真皮におけるメラノサイトの分化と誘導について研究を行った。まずC57BL/6野生型及びC57BL/6 nu/nuの皮膚に対して各種メラノサイトマーカーの免疫染色を行った。Mitf, S100, HMB45染色を施行したところ、野生型では過去の報告の通り日齢6-9までは真皮にメラノサイトが存在していたが、それ以降では消失していた。一方nu/nuにおいては、真皮内メラノサイトは漸減していくが、日齢30日の段階でまだ存在していた。このことからメラノサイトが真皮内に存在することが分かった。次にこのメラノサイトの分化度を調べるため、Nestin(メラノブラストのマーカー)、Fontana-Masson染色(メラニン分泌=成熟メラノサイトのマーカー)について染色を行ったところ、野生型、nu/nuいずれにおいてもnestin陽性細胞は日齢6以降では真皮内から消失した。一方成熟メラノサイトは野生型においては真皮内に存在しなかったが、nu/nuにおいては徐々に数を増加させ、その後日齢9をピークとして漸減していった。このことから、nu/nuにおいては、真皮でメラノサイトが成熟していくことが考えられた。更にこれらのメラノサイトの挙動を確認するため、GFPを導入した野生型及びnu/nuの皮膚をSCIDマウスに移植し、それを免疫染色した。結果、野生型、nu/nuいずれにおいても日齢6ではメラノサイトの移動は認められなかったが、日齢18においては、野生型の皮膚を移植したマウスの、正常真皮内にメラノサイトを認めた。このことから、nu/nuの真皮に存在したメラノサイトは成熟したもので、それ以上の移動をしないであろう事が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、C57BL/6 nu/nuマウスにおいて真皮内でメラノブラストが成熟し、メラノサイトとなり、メラニンを分泌して移動をしないであろうという点までの実験データはそろった。今後、そのメラノサイト及びメラノブラストの挙動をin vitroで調べていく必要があると考えられる。研究計画においては①-③がin vivoでの実験、④-⑥をin vitroの実験系として予定している。現状、ちょうどvivoでの系が終了し、50%の結果が得られている。 24年度にvivoでの実験が一段落し、25年度にはマウスメラノサイトを取り出し、培養を開始したが、何度かの実験の結果、培養条件を変更して検討を行う必要性が生じた。そのため、当初の計画であった計画におけるReal time PCRまでは行えず、本年度は培養方法の確立と各年齢からのメラノサイト採取までにとどまってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
別項に記載した通り、in vivoでのメラノサイトの挙動は判明した。今後はそのメラノサイトをin vitroに取り出し、培養を行い、挙動及び遺伝子の発現状況を調べていく。研究計画に乗っ取って、まず各年齢のマウス皮膚切片よりメラノサイトを培養し、免疫染色を用いて比較し、その後、Real time PCRにて解析、メラノサイトの性質の違いについて検討する。最後に培養メラノサイトを再度マウスに投入し、その挙動を観察するといった実験を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度にvivoでの実験が一段落し、25年度にはマウスメラノサイトを取り出し、培養を開始したが、何度かの実験の結果、培養条件を変更して検討を行う必要性が生じた。そのため、当初の計画であった計画におけるReal time PCRまでは行えず、本年度は培養方法の確立と各年齢からのメラノサイト採取までにとどまってしまった。そのため、未使用額が生じた。 このため、採取したメラノサイトの解析、性質の違いについての検討を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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