研究課題/領域番号 |
24791167
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
古橋 卓也 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (40623476)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 乾癬 / 光線療法 / 制御性T細胞 / Th17 / dysfunction |
研究概要 |
ナローバンドUVBおよびPUVA療法のメカニズムの探求および末梢血Th17,制御性T細胞のBiomarkerとしての評価を本研究は主題として遂行されている. 乾癬患者末梢血Th17細胞の割合は,患者健常人間では差がないことが分かった.しかしながら,Th17細胞の割合が高い患者群では,治療抵抗性で再燃を繰り返す患者が多く含まれることを発見した.また,光線療法がこのTh17の高い患者において,有意にその割合を低下させることも分かった. 制御性T細胞の割合では,Th17と同じように患者健常人間で差は認めないものの,健常人の平均値以下患者群において,光線療法により有意に割合の増加をみとめた. さらに,制御性T細胞の機能についての検討の中で,以前に報告のあった乾癬の病態において、患者末梢血Tregの割合が数的に少ないだけでなく、機能不全に陥っている事象については,健常人,患者末梢血からCD4+CD25+TcellとCD4+CD25-Tcellを分離し,共培養する系において,有意に患者群において制御性T細胞の機能不全を示すことができ,以前の報告のリピートが可能であった.さらに光線療法によって、dysfunctional Tregの機能回復が誘導されるかどうかという事象について,患者14名,健常人18名の検討において,有意に機能回復を示すことがわかった. 乾癬の重症な患者(Psoriasis Area Severity Indexスコア30以上)で,有意にTh17が高いことがわかり,制御性T細胞の割合が治療前に高いことが,治療によりTh17の割合が減少しやすいこともわかった.バイオマーカーとしてこれらの細胞の割合を指標に,治療を考える可能性が得られる内容となった.以上の結果については論文化し,第1報として報告している.乾癬における光線療法とT細胞の関係について様々なことが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1, 乾癬末梢血中のTh17の同定 2, 乾癬末梢血中のTregの同定 3, 血清中サイトカインの測定 4, Th17、 Tregの臨床的意義の検討 6, Dysfunctional Tregの機能回復 7, Biologicsと光線療法の検討という研究目標を掲げた.現在達成されている項目は1から6であり,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
1, 乾癬末梢血中のTh17の同定 2, 乾癬末梢血中のTregの同定 3, 血清中サイトカインの測定 4, Th17、 Tregの臨床的意義の検討 6, Dysfunctional Tregの機能回復 7, Biologicsと光線療法の検討という研究目標を掲げた.今後もこれら研究計画に従いBiologicsと光線療法を比較することで,単独ではみえなかった内容について掘り下げていきたい.
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次年度の研究費の使用計画 |
光線療法の検討から生物学的製剤への検討に移る中で,これまでのTh17,Tregの検討に加え,遺伝子多型の検討,アフィメトリクス社の次世代シーケンサーを用いて,SNPの検討を計画していく予定である.
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