研究実績の概要 |
ナローバンドUVBおよびPUVAバス療法のメカニズムの探求および末梢血Th17,制御性T細胞のBiomarkerとしての評価を本研究は主題として遂行されている. 制御性T細胞の割合では,Th17と同じように患者健常人間で差は認めないものの,健常人の平均値以下患者群において,光線療法により有意に割合の増加をみとめた.さらに,制御性T細胞の機能についての検討の中で,以前に報告のあった乾癬の病態において、患者末梢血Tregの割合が数的に少ないだけでなく、機能不全に陥っている事象については,健常人,患者末梢血からCD4+CD25+TcellとCD4+CD25-Tcellを分離し,共培養する系において,有意に患者群において制御性T細胞の機能不全を示すことができ,以前の報告のリピートが可能であった.さらに光線療法によって、dysfunctional Tregの機能回復が誘導されるかどうかという事象について,患者14名,健常人18名の検討において,有意に機能回復を示すことがわかった. 乾癬の重症な患者(Psoriasis Area Severity Indexスコア30以上)で,有意にTh17が高いことがわかり,制御性T細胞の割合が治療前に高いことが,治療によりTh17の割合が減少しやすいこともわかった.バイオマーカーとしてこれらの細胞の割合を指標に,治療 を考える可能性が得られる内容となった.さらに,生物学的製剤によるTh17,制御性T細胞の変化について検討し,結果を得た.乾癬における光線療法とT細胞の関係について様々なことが明らかとなった.
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