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2013 年度 実績報告書

悪性黒色腫に対する微小管阻害薬耐性機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24791171
研究機関岩手医科大学

研究代表者

赤坂 季代美  岩手医科大学, 医学部, 研究員 (90552753)

キーワード皮膚腫瘍学 / BCL2 / BCLxL / MCL1 / apoptosis
研究概要

悪性黒色腫が持つ微小管阻害薬に対する自然耐性機構の分子背景を解明するために、その大きな要因と想定されるアポトーシス回避蛋白MCL1の分解機構の破綻について解析した。悪性黒色腫においてBCL2 familyのMCL1、 BCL2A1、BCLxL、MCL1の発現を培養細胞株でスクリーニングした。最も抗微小管薬パクリタクセル、ビンクリスチンへの抵抗性と関連のあった蛋白はBCL2であった。抵抗性を示す培養細胞株では、パクリタクセル投与によって一旦細胞周期を停止させた黒色腫は、時間が経過してもカスパーゼの活性化が生じず、腫瘍細胞は細胞死に至らなかった。一方、感受性株ではMCL1のdegradation依存性に速やかにカスパーゼの活性化が誘導された。BCL2/BCLxLの阻害薬あるABT737/263は、パクリタクセルへの抵抗性を劇的に改善させた。siRNAによる解析でも同様の結果であった。悪性黒色腫の抗微小管薬への体制機構にはMCL1ではなく、BCL2/BCLxLの作用が強く関与している可能性が示唆された。また、正常メラノサイトは過剰にBCL2の発現を認めこの経路はメラノサイト固有の転写因子MITFによるものであった。また、BCL2A1の発現は、BCLxLやBCL2との相関は認められず独立の因子であった。
悪性黒色腫に微小管阻害薬を投与する場合には、悪性リンパ腫の分子標的治療薬Navitoclax (ABT-263)のようなBCL2 familyとの併用が必要であり、悪性黒色腫の新規分子標的治療になると考えられた。

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公開日: 2015-05-28  

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