研究課題/領域番号 |
24791173
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
成田 多恵(井上多恵) 自治医科大学, 医学部, 助教 (10301061)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 皮膚癌 / Pict-1 / p53 / 紫外線発癌 |
研究概要 |
1)皮膚がんにおけるPICT1の発現、p53変異の有無と臨床症状の相関、2)日光角化症と光老化皮膚におけるPICT1の発現パターンの解析;佐々木らは、p53 に変異のないグリオーマや大腸がん細胞で PICT1 を抑制するとp53 量の増加と細胞増殖抑制を引き起こすこと、神経膠腫において PICT1 の発現は腫瘍の進展性と正に相関をすること、 大腸がんと食道がんにおいて PICT1 の発現減少は予後良好となることを明らかにした。当該研究においても皮膚がん(加齢した露光部皮膚、日光角化症、有棘細胞がん、基底細胞がん、悪性黒色腫など)に関して同様にPICT1の発現を調べ、p53の発現の有無、浸潤の程度、リンパ節転移の有無、予後などの因子に関して関連を調べる。現在、主に有棘細胞がんの症例の選定、実験方法の検討中である。 3)ケラチノサイト特異的PICT1欠損マウスの解析 これまでにケラチノサイト特異的PICT1欠損マウスでは皮膚に重層障害がおこっていることが見いだされている。このマウスの表皮ケラチノサイトではp53の発現が増強し細胞の増殖が抑制されていることが予測されるが、生後早期に死んでしまうマウスに対して、他の発現システムとの組み合わせ等を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)皮膚がんにおけるPICT1の発現、p53変異の有無と臨床症状の相関 2)日光角化症と光老化皮膚におけるPICT1の発現パターンの解析 標本の選定、実験方法の検討、ヒト皮膚標本を用いる事に対する倫理委員会の通過等、必要な手続きが遅れている。 3)ケラチノサイト特異的PICT1欠損マウスの解析;かけあわせるマウスに関してどの発現システムをマウス供給元、マウス飼育場所等の細かい選定が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1)皮膚がんにおけるPICT1の発現、p53変異の有無と臨床症状の相関 2)日光角化症と光老化皮膚におけるPICT1の発現パターンの解析 秋田大学医学部、自治医科大学、さいたま赤十字病院等複数施設にまたがる標本選定と倫理委員会の通過、主に秋田大学医学部バイオサイエンス研究・教育センター施設を用いた実験の遂行 3)ケラチノサイト特異的PICT1欠損マウスの解析;九州大学医学部 生体防御医学研究所 ゲノム機能制御学部門より、K14ERCreマウス、Pict-1ノックアウトマウスを供与いただき、秋田大学医学部バイオサイエンス研究・教育センター施設動物実験施設にて該当マウスを飼育、実験を遂行する。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に試薬(抗体、DNA, RNA関連試薬、細胞培養試薬)、バイオサイエンス研究センター使用料金(動物飼育、実験機器使用料、委託実験料金)、動物移送費用等に用いる。
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