フィラグリンの機能喪失変異がアトピー性皮膚炎の発症因子として注目されている。乾燥環境がフィラグリン欠損皮膚に与える影響を評価することで、アトピー性皮膚炎発症機序の解明を試みた。 生後より低湿度環境下で飼育したフィラグリン欠損マウスは、通常湿度環境下で飼育するのに比べ、尋常性魚鱗癬の表現型が増悪した。低湿度環境下で飼育したフィラグリン欠損マウスは、同腹の野生型マウス及び通常湿度環境下で飼育したマウスに比べ、異常な角質形成がみられ、角層の物質透過性が亢進していることがわかった。本研究より、フィラグリン欠損皮膚は、乾燥環境という因子が加わることでバリア機能がより増悪することがわかった。
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