乾癬病変部皮膚組織を、ホルマリン固定、パラフィン包埋後、組織切片を作成、抗γδ TCR抗体で免疫化学染色を行い、γδ T細胞の発現、分布、そのサブセットの検討を試みたが、明瞭な染色像が得られなかった。乾癬病変部皮膚組織をトリプシンを用いて表皮と真皮を剥離、表皮細胞と真皮細胞をそれぞれ採取し、各細胞を抗γδ TCR抗体およびVγ鎖、Vδ鎖の異なるγδ T細胞のサブセットに対する抗体で染色、フローサイトメトリーを行い、γδ T細胞の発現、分布、そのサブセットの検討を試みたが、健常対象皮膚組織と比較して、有意な差が認められなかった。また、乾癬患者の末梢血リンパ球を採取し、同様の染色を試みたが、健常対象と比較して、有意な差が認められなかった。 γδ T細胞は、乾癬発症の初期に関与していることが推測される。そこで今後は、完成した乾癬病変ではなく出現初期の乾癬病変を対象に、上述の研究を試みる予定である。
|