研究概要 |
転写因子PU.1を過剰発現させると肥満細胞から樹状細胞様細胞に変化する。本研究では、PU.1を過剰発現させた肥満細胞とマウス線維芽細胞を共培養させた時、肥満細胞が樹状細胞特異的タンパクCD11cを発現することを確認し、この現象に関与した線維芽細胞由来の増殖因子を同定し、肥満細胞の形態と機能の変化について解析することを目的とする。 マウス骨髄細胞を、IL-3で2週間培養させたマウス骨髄由来培養肥満細胞(以下BMMC)を、レトロウイルスベクターを用いて転写因子PU.1を過剰発現させ、その後puromicinにて遺伝子導入された細胞のみを選択する。得られたPU.1過剰発現BMMCをマウス線維芽細胞株(NIH3T3)とIL-3存在下で10日間共培養した。 マウス線維芽細胞株(NIH3T3)と共培養したPU.1過剰発現BMMCのみを抽出し、FACSにてFcεRI, c-kitなどの肥満細胞特異的マーカーやCD11b, F4/80, MHC classIIなどの単球系マーカー、CD11樹状細胞特異的マーカーを確認。形態の検討のために、得られた細胞をトルイジンブルー染色、ギムザ染色を行い光学的顕微鏡にて、また樹状突起と細胞質内顆粒の変化は、電子顕微鏡にて確認。 共培養したPU.1過剰発現BMMCの機能解析のために、抗原/IgEに応答させた脱顆粒能やIL-6,TNF-αなどのサイトカイン産生能を確認。樹状・単球系細胞の機能解析のために、抗原提示能・貪食能を測定し、LPSに応答したIL-6 産生量を測定している。
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