研究実績の概要 |
本研究により、次の実績が得られた。 ヒト メラノーマ細胞株(SK-MEL-28)及び培養ヒト メラノサイトについて、定常状態におけるスフィンゴ糖脂質の糖鎖合成酵素遺伝子の発現レベルをRT-リアルタイムPCRでにより解析した結果、SK-MEL-28ではメラノサイトと比較して、GD3合成酵素(ST8SIA1)及びGM2/GD2合成酵素(B4GALNT1)遺伝子の発現が高く、GM1/GD1b合成酵素(B3GALT4)遺伝子の発現が顕著に低かった。他のメラノサイト及び6種類のメラノーマ細胞株(SK-MEL-37, SK-MEL-23, SK-MEL-31, SK-MEL-173, SK-MEL-130, MeWo)の糖鎖合成酵素遺伝子の発現についても検討し、上記と同様の結果が得られた。 また、IL-1, IL-6, TNFαによりメラノサイトにおいては、GD3合成酵素遺伝子の発現が誘導されることを明らかにしてきたが、更に、cAMP刺激を除去することによってもGD3合成酵素遺伝子の発現が誘導されることを明らかにした。従って、メラノサイトではcAMPからのシグナルによりGD3合成酵素遺伝子の発現が抑制されていることが示唆された。
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