研究課題
近年、乾癬に対する治療薬として抗 IL-12/23p40 抗体が用いられるなど、炎症性皮膚疾患における CD4+Th17 細胞に対する研究は飛躍的に進歩した。しかし、CD8+Tc17 細胞については、皮膚炎への関与およびメカニズムの解析はされていなかった。IL-27 は IL-12/ 23 と類似の構造をとるサイトカインで、 IL-27 は Th2 抑制作用をもつことが知られている。CD8+T 細胞については、IL-27 は Tc1 細胞への分化を促進することが知られているが、Tc17 細胞に対する IL-27 の役割は明らかではなく、IL-27 投与によって IL-17 依存性の皮膚炎が抑制できるのかも明らかではない。そこで、皮膚炎モデルにおいてTc17 細胞について検討し、またマウスの皮膚炎がIL-27によって改善するか否か解析しIL-27の in vivo での働きを明らかにすることを目的とする研究を開始した。Tc17 細胞の機能解明に関しては、IL-27が in vitro でCD8+Tc17 細胞によるIL-17などの種々のサイトカイン分泌や転写因子の活性化を抑制できることを見いだした。Tc17 細胞に分化した後ではIL-27によって抑制されるサイトカインと抑制されないサイトカインがあることも明らかになった。in vivoでは、接触過敏においてTc17細胞が活性化していることが判明した。IL-27 による皮膚炎の治療に関しては、IL-27 を過剰発現する IL-27Tgマウスでは接触過敏が減弱することを見いだした。
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