我々は、神経性食思不振症(AN)では、背景に自閉症スペクトラム障害を有している患者が存在するという仮説の元に、社会的機能を反映すると考えられる対人場面での会話課題および様々な精神疾患で検討が行われている語流暢性課題中の脳活動を、NIRSを用いてその特徴を調べた。ANでは、健常者と比較して会話中の脳活動はほぼ維持されているが、語流暢性課題中の脳活動は一部に双極性障害のパターン(賦活ピークの遅延)を示す症例が存在することが明らかになった。またANでは体重減少時にはうつ病パターン(賦活ピークの減少)を示し、体重増加時には健常者のパターンを示す症例が存在することが明らかになった。
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