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2012 年度 実施状況報告書

幼児期の脳機能発達と自閉症スペクトラム早期発見の生理学的指標

研究課題

研究課題/領域番号 24791206
研究機関金沢大学

研究代表者

吉村 優子  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 研究員 (70597070)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード聴覚誘発磁場 / 幼児
研究概要

研究代表者は、自閉症スペクトラムを早期発見するための生理学的指標について調査するため、平成24年度においては、母子間のコミュニケーションでよく使われる「ね」という人の声に対する脳の反応について調べた。対象は、3-7歳の定型発達児33名、自閉症スペクトラム児30名である。小児用MEGを用いて音声を聞いている時の脳活動を記録し、グループ間の違い及び、言語発達との関係について調べた。平成24年度の実験結果については、“Atypical brain maturation in the auditory cortex and language performance in 3- to 7-year-old children with autism spectrum disorder”というタイトルで現在、Molecular Autismという国際的学術雑誌に修正投稿中である。研究計画書に記載の通り、今年度においては、定型発達群、自閉症スペクトラム群の2回目の心理検査、測定を実施し、発達に伴う脳機能の変化についても調査していく。被験者については、24年度に、実験に協力していただいた被験者に再度協力をお願いする予定である。実験は引き続き石川県金沢市に所在する横河電機内のMEG(脳磁計)施設において金沢大学の専門スタッフと協力して行う。さらに、今年度の研究成果おいても国際学術誌に発表することを目的とする。本研究は世界に2台しかない小児用MEGのうち一台を用いて、3-7歳の幼児を対象に実験を行ったものである。幼児期は、これまで覚醒時の脳機能測定が困難であったため、その脳機能について未だはほとんど解明されていない。そのため本研究は、ミッシングリンクである幼児期の聴覚に関する脳機能を解明するためにも貴重なものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

24年度の実験において、定型発達児と自閉症スペクトラム児の人の声に対する反応について違いを検出し、その結果を国際学術雑誌論文として報告した。この結果については自閉症スペクトラム早期発見の一生理学的指標として考えられるものであり、本研究は概ね研究計画通り進んでいると考える。

今後の研究の推進方策

25年度は、24年度に参加してもらった被験者の2回目の認知行動評価・小児用MEGでの脳機能計測など縦断的なデータの収集・2回分のデータの解析を行った上で結果をまとめ、学会発表及び論文として研究成果を発表する作業が中心となる。

次年度の研究費の使用計画

24年度は、25年度に向けた具体的な研究デザインの検討と予備的実験等に多くの時間を費やし、謝金を要する被験者の測定、学会発表や論文出版等には、当初計画していた金額を用いなかった。そのため24年度は繰越金が発生した。25年度は24年度の繰越金と合わせ、研究費の使用計画として、データの管理及び解析・整理などをお願いするパート雇用のために1500,000円、学会等出張費として150,000円、被験者への謝金として600,000円、論文等出版費として300,000円、解析用ソフトウェア、ハードウェア等の消耗品として約400,000円を予定している。

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公開日: 2014-07-24  

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