エストロゲン受容体betaの刺激が抗うつ効果を持つことが示唆され,内因性リガンドがいくつか提唱されているが,これらステロイドのヒト血液中における正確な濃度は知られていない. 本研究では,これらのステロイドのヒト血液中ならびに唾液中の濃度を正確に決定し,うつ病の既往のある被験者と既往のない被験者でそれらの値を比較した.結果は,女性の健常群とうつ病の既往のある女性との間でDHEAの値に有意差を認めた. 閉経期のうつ病発症メカニズムの解明を目指す将来の研究には代表的な女性ホルモンであるestradiolだけではなく,エストロゲン受容体に親和性のある他のホルモンもあわせて検討することの重要性を示した.
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