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2013 年度 実績報告書

遺伝環境相互作用の観点からうつ病の生物学的因子を同定する妊産婦ゲノムコホート研究

研究課題

研究課題/領域番号 24791210
研究機関名古屋大学

研究代表者

國本 正子  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30350135)

キーワード産後うつ病 / DNAメチル化 / 遺伝環境相互作用
研究概要

うつ病の遺伝環境相互作用を分子レベルから説明できる答えは未だ提示されていない結果、生物学的な病態を反映した診断検査法がなく、病因・病態に基づく治療戦略を立てることが困難である。したがって、上記の観点から、うつ病に関わる生物学的因子を明らかにし、有効な治療および予防の具体的戦略に繋がる情報を得ることは喫緊の課題である。本課題は、妊産婦コホート末梢血を用い、内分泌学的な変化や遺伝子のメチル化状態と気分変動との関連を検証し、遺伝環境相互作用の観点から病因・病態に関与する分子候補を同定することで、治療・予防の具体的戦略に繋がる情報を得ることを目的とした。
内分泌学的変化については、ストレス応答ホルモンを含む数種の物質濃度が、出産前後で有意に変動することが確認されたが、気分変動と一貫して相関のある血中物質は同定されなかった。これはマタニティーブルー群や抑うつ群の検体数が少ないことに由来すると考えられるため、今後対象者数を増やして引き続き解析を行う必要がある。
メチル化の解析では、低メチル化により発現することがゲノム不安定化の原因となるといわれており、近年がん研究分野において注目されているLINE-1の解析から、ゲノム全体の不安定化が妊産婦の気分変動と関連する可能性は低いことが示唆された。また、pyrosequencing法を用いた特定の遺伝子プロモーター領域の解析では、今回対象とした遺伝子に関しては、抑うつとメチル化の頻度に関連が認められなかったことから、産婦ゲノムを用いたBeadChipによるゲノム全体の網羅的解析を行った。その結果、産後抑うつと関連すると考えられるパスウェイが予試験的に抽出された。今後は出産による変化と抑うつによる変化を区別するためにも、妊婦のゲノムについて合わせて解析を行うとともに、例数を増やし、さらなる検証を行う必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Common variants in bcl9 gene and schizophrenia in a Japanese population : association study, meta-analysis and cognitive function analysis2013

    • 著者名/発表者名
      Shiino T, Koide T, Kushima I, Ikeda M, Kunimoto S, Nakamura Y, Yoshimi A, Aleksic B, Banno M, Kikuchi T, Kohmura K, Adachi Y, Kawano N, Okada T, Inada T, jike4 H, Iidaka T, Suzuki M, Iwata N, Ozaki N
    • 雑誌名

      Journal of Medical Biochemistry

      巻: 32 ページ: 351-357

    • DOI

      10.2478/jomb-2013-0049

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Definition and refinement of the 7q36.3 duplication region associated with schizophrenia2013

    • 著者名/発表者名
      Aleksic B, Kushima I, Ohye T, Ikeda M, Kunimoto S, Nakamura Y, Yoshimi A, Iritani S, Kurahashi H, Iwata N, Ozaki N
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 3 ページ: 2587

    • DOI

      10.1038/srep02587

    • 査読あり
  • [学会発表] 認知機能におけるグリア型グルタミン酸トランスポーター(GLAST)の役割. The role of glial glutamate transporter (GLAST) in cognitive functions in mice.2014

    • 著者名/発表者名
      野田幸裕, 長谷川章, 谷口将之, 肥田裕丈, 毛利彰宏, 國本正子, 山田清文, 尾崎紀夫, 田中光一, 鍋島俊隆
    • 学会等名
      第87回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      東北大学百周年記念会館川内萩ホール、仙台国際センター(仙台市)
    • 年月日
      20140319-20140321

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公開日: 2015-05-28  

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