研究課題
摂食障害は若年者を中心に増加傾向であり,低年齢化が深刻な問題となっている。学校保健や医療の現場においても低体重や食行動異常を主訴に相談に訪れる事例が多くみられる。摂食障害は慢性化する例が多く,長期にわたる障害のために社会適応が困難となり,悪循環を形成することが指摘されている。また,様々な身体的・精神的合併症を認め,重症例では死に至る危険性も高く,その早期発見や予防は重要課題である。今後の摂食障害の発症予防のためには,摂食障害傾向の実態を把握することが重要である。広島県内の小学生及び中学生を対象に無記名での摂食態度に関する質問紙調査(Eating Attitude Test-26;EAT-26)を行った。質問紙は学校で配布し,調査への協力に同意する場合は回答後に提出し,同意しない場合は白紙回答とした。小学生を対象とした調査では,EAT-26スコアが20点以上の高得点者は,男子0.34%,女子1.0%であった。中学生を対象とした調査では,EAT-26スコアが20点以上の高得点者は,男子1.0%,女子4.4%であった。本調査の結果より,摂食障害のハイリスク者は女子では中学生から増加している可能性が考えられた。若年者を中心とする摂食障害の増加傾向の中で,摂食障害予備軍といわれる発症リスクの高い児童が多数潜伏しているといわれており,小学生や中学生に対して摂食障害に関する知識や情報の提供,支援が必要であると思われた。
3: やや遅れている
研究協力者(調査への参加者)の確保や準備が遅れたため、調査や解析に時間を要し、計画がやや遅れている。
研究期間を1年間延長し、引き続き調査結果の解析を進めていく。
研究協力者(調査への参加者)の確保や準備に遅れが生じ,時間を要したため,解析に遅延が生じた。
研究機関を1年間延長し,次年度に引き続き結果の解析や研究成果の発表のために使用する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
BRAIN and NERVE
巻: 67 ページ: 183-192
J. Affect Disord.
巻: 168 ページ: 472-475