研究課題
より妥当性の高い疾患モデル動物の作製は、病因・病態の理解から治療法の開発まで大きく貢献すると考えられる。統合失調症の発症には、遺伝学的要因と環境要因の両者が関わっていると考えられているが、実際の患者の状況に合致するモデル動物の作製には至っていない。本研究では、環境要因をそれ単独では表現型が検出できないほど軽微な負荷とし、遺伝学的要因と組み合わせた場合にどのような増悪が観察されるか、特に死後脳研究で異常が報告されている前頭前野や海馬に着目して研究を行った。まず、polyI:Cを妊娠マウスに投与した母体ウイルス感染モデルマウスを作製し、様々な濃度のpolyI:C投与に対する仔マウスの表現型をPrepulse Inhibition (PPI)を指標に解析し、環境要因操作とした。また、遺伝要因の操作として発生期の大脳皮質層構造形成に関わるReelinシグナルを前頭前野において乱したマウスの作製を試みた。細胞内アダプター蛋白であるDab1の選択的スプライシングバリアントの強制発現を通じて遺伝子導入時期に依存した層構造異常とPPIの関係を調べた。
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CELL BIOCHEMISTRY AND FUNCTION
巻: Volume 32, Issue 4 ページ: 395-400
10.1002/cbf.3030