研究課題/領域番号 |
24791228
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
高橋 隼 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10508021)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 認知機能障害 / GABA |
研究概要 |
本研究では、GABA機能障害に着目し、統合失調症における認知機能障害の神経生理学的機序とGABA機能障害及び認知機能障害の進行性の変化を明らかにすることを目指し、健常群、発症早期統合失調症群、慢性期統合失調症群を対象に、(1)神経生理学的手法によるGABA機能の評価、(2)GABA機能障害と認知機能障害の関連、(3)GABA機能障害と認知機能障害の進行性の変化、を検討する。 平成24年度は主に発症早期統合失調症を対象にGABA機能障害と認知機能障害の関連を検討した。神経生理学的手法として2連発経頭蓋磁気刺激(paired-pulse transcranial magnetic stimulation: ppTMS)を用い、認知機能評価にBACS(Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia)を用いて、発症早期統合失調症群におけるGABA性皮質抑制の減弱と作動記憶の障害の関連を明らかにした。本研究で得られた結果は、学会発表(第34回日本生物学的精神医学会シンポジウム)、および、論文発表(Takahashi et al. Schizophr Res, 2013)している。 さらに、統合失調症におけるGABA機能障害と認知機能障害の進行性変化を明らかにするため、健常群、発症早期統合失調症群、慢性期統合失調症群を対象にした横断的検討をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2連発経頭蓋磁気刺激を用いて発症早期統合失調症におけるGABA機能障害と認知機能障害の関連を明らかにし、学会および論文発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は統合失調症におけるGABA機能障害と認知機能障害の進行性変化の検討を重点的にすすめたい。具体的には、健常群、発症早期統合失調症群、慢性期統合失調症群を対象にした横断的検討と発症早期群の縦断的検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は神経生理学的手法として2連発経頭蓋磁気刺激を用いてGABA機能を評価したが、平成25年度にはガンマ帯域活動やプレパルス抑制などの神経生理学的手法を導入し、GABA-グルタミン酸機能を包括的に評価したい。
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