研究課題
最も頻度が高い変性性認知症であるアルツハイマー型認知症(Alzheimer's disease: AD)とレビー小体型認知症(Dementia with Lewy bodies: DLB)において、認知症発症前の神経画像を含む前駆状態の相違について報告した。特にDLB患者では、記憶障害が出現した時点において、有意にレビー小体病を示唆する症状を認め、認知症発症前に数年から数十年単位で先行していることが明らかにした。とくに嗅覚障害、3日以上の便秘、夜間睡眠時の大声・叫び声は特徴的な症状であった。さらに、FDG-PET画像において一次視覚野の糖代謝低下を認めた非認知症患者を対象として、その後の臨床経過について追跡調査を行った。これらの症例では、ベースラインの段階で前駆症状を認める症例が数多くあり、MIBG心筋シンチグラフィーにおいても取り込みの低下を認めた。3年以上フォローアップした症例における追跡調査では、ベースラインの糖代謝低下が1次視覚野に比較的限局する症例においては、認知機能は経過中安定していたが、1次視覚野に加えて、頭頂葉・外側後頭葉領域に糖代謝低下が広がる症例では、認知機能低下が認められ、Probable DLBに進行していた。これらの結果から、1次視覚野の糖代謝低下と前駆症状が、DLBの発症前から存在する所見であることが明らかとなり、早期診断のために役立つと考えられた。また、ADの前駆期において、神経画像を含む臨床病理学的に神経原線維変化の病変分布と大脳皮質における脳血流低下領域の局在を検討することで、臨床亜型が決定される可能性を詳細な症例検討を用いて示した。ADを病理学的に辺縁系優位型、典型型、海馬保持型に分類し、嫉妬妄想が認知症発症に先行した非典型AD(海馬保持型)について、病変が著しい大脳皮質領域と先行する臨床症状が対応することを報告した。
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