ADHDモデル動物と対照動物を用いて,ドーパミン(DA)とノルアドレナリン(NA)がGABA作動性抑制性シナプス後電流(IPSC)にもたらす修飾作用を前頭前野第五層錐体細胞と小脳プルキンエ細胞で検討した.その結果,DAの投与により前帯状回(anterior cingulate cortex)で記録したIPSCの振幅は増強されたが,その程度は対照動物では大きくADHDモデル動物では有意に小さかった.薬理学的実験からこの増強効果はD1様受容体を介していることがわかった.一方,NAによる修飾効果は錐体細胞とプルキンエ細胞ともに有意差を認められなかった.
|