健常者を対象にプラセボおよびNK1受容体拮抗薬服用後に機能的核磁気共鳴画像検査を行い、報酬課題遂行時の側坐核の活動を調べた。プラセボ服用と比較すると、NK1受容体拮抗薬服用により有意に報酬予測時における側坐核の活動が減少した。次に、アルコール依存症の高リスク群である多量飲酒者における報酬課題遂行時の側坐核の活動を調べた。多量飲酒者では、報酬予測時における側坐核の活動とアルコール摂取量の間に正の相関がみられた。今後は、飲酒量と関連する報酬予測時の側坐核での活動に着目し、多量飲酒者に対するNK1受容体拮抗薬の効果を明らかにする必要がある。
|