研究課題/領域番号 |
24791245
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
上松 謙 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 助教 (60441672)
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キーワード | 精神薬理学 |
研究概要 |
マウス線条体スライスを用いて、CB1Rアゴニスト、アンタゴニスト刺激により、シナプス後細胞に特異的に発現するリン酸化蛋白dopamine- and cAMP-regulated phosphoprotein of 32 KDa (DARPP-32) のリン酸化を、ウエスタンブロット法での測定実験を行っている。ここでは、CB1Rアゴニストによって、DARPP-32のスレオニン34残基 (Thr-34) リン酸化が亢進する新たな知見が得られた。この効果は、近接するドーパミンD2受容体、アデノシンA2a受容体のアゴニスト、アンタゴニストで修飾を受けていた。この、マウス線条体スライスを用いた、リン酸化反応の実験は、安定した結果が得られており、研究実施計画以外にも、脂質メディエーターのひとつである、スフィンゴシン-1-リン酸 (S1P) の反応が、CB1Rアンタゴニストで阻害され、同じ脂溶性物質にも相互作用があることが示された。 実験計画に基づき、代謝型グルタミン酸受容体5の刺激により、カンナビノイド受容体1の内因性リガンドである2-アラキドノイルグリセロール (2-AG) の放出をin vitro実験で測定を行うため、株化培養細胞に代謝型グルタミン酸受容体5や、カンナビノイド受容体1を安定発現させた株化細胞を作成 (HEK293細胞、CHO-K1細胞)した。現在は、その安定発現細胞を使用して、2-AGの放出量を、ジアシルグリセロールの蛋白量の測定で確認する実験を組み立てている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス線条体スライスを用いた、蛋白リン酸化反応の測定実験は、安定した結果が得られ、実験計画に沿って進行中であり、新しい知見も得られている。培養細胞実験は、ようやく遺伝子安定発現株化細胞の作成が完成した。やや遅れている状態であるが、実験計画の遂行を目標として、着実に実験を行っていきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
実験計画に基づき、in vitro実験、in vivo実験の実験準備、観察、データの解析を進めていきたいと考えている。実験は、方法により、安定した結果が得られている部分と、結果が安定しない部分がある。研究をまとめていくにあたって、安定した結果から導かれる考察によって補強されるデータなどが今後必要となると予測され、柔軟に今後の研究を推進していく考えである。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験進行度により、必要とする実験用消耗品、実験動物などの使用が遅れたため次年度使用額が生じた。 実験用消耗品、実験動物に使用する。
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