研究課題/領域番号 |
24791246
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
堀 輝 産業医科大学, 医学部, 助教 (50421334)
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キーワード | 臨床 / 統合失調症4 / 就労 / 認知機能 / 社会機能 / バイオロジカルマーカー |
研究概要 |
統合失調症患者の復職率等をアンケート形式の調査を継続している。現時点での中間解析では、統合失調症患者の就労率やフルタイムで働けている患者は非常に低く、外来通院中の患者でも復職率及び収入が健常者と比較して低いことが分かりつつある。 また、統合失調症患者を就労群、未就労群の2群に分け横断面での差異についても検討しているところである。 さらに、統合失調症患者を対象とし、復職時の精神症状、認知機能、血中バイオロジカルマーカー、向精神薬の投与状況等についても把握しつつある。その後の推移についても前方視的にも検討しており、復職成功群と失敗群に分け解析予定である。 さらに統合失調症薬物療法に視点を当て、就労と関連が強いとされる認知機能障害や社会機能の改善に向けた検討も行っている。統合失調症患者の中で多剤併用療法がなされている患者を無作為に単剤治療に切り替える群と多剤併用療法を継続する群で比較すると、単剤治療に切り替える群で注意力・処理速度の改善が見られ、また日常生活や労働の遂行能力が高まることを報告している(Hori et al., Journal of psychiatric research 2013)。また、復職と関連が強い意思決定能力や記憶機能と血中脳由来神経栄養因子との関連についても検討をすすめており、論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規の就労開始や復職患者が想定以上に少ない状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
統合失調症患者を就労群、未就労群の差異を検討する。 復職もしくは就労開始時の精神症状、認知機能、バイオロジカルマーカー、薬理学的観点から縦断的に観察することで、復職や就労成功者と失敗者の差異を見出す
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