うつ病の治療に有効とされる選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の作用機序として、脳内セロトニン濃度の増加が考えられる。そこで、PETを用いて体外から脳内セロトニン濃度の変化を測定する手法を検討した。まず、シミュレーションを行い、PETを用い脳内セロトニン濃度の変化を検出する手法を検討した。その結果、参照領域を用いたコンパートメントモデル解析で得られたセロトニン受容体結合能が、セロトニン濃度の変化量に相関することが分かった。次に、小動物のPET測定でSSRIを投与して人工的にセロトニン濃度を増加させたところ、PET画像から得られる大脳皮質の受容体結合能が低下し、本手法の妥当性が示された。
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