研究課題
国立がん研究センター東病院において、胸部手術を受けた高齢がん患者を対象に、術前のベースラインの評価を行った。登録患者数は135名(男性101名、女性34名)、平均年齢72.1歳(65-87歳)であった。高齢者包括的評価Comprehensive Geriatric Assessmentとして、身体活動度Performance Status(PS)、日常生活動作Barthel Index、手段的生活動作IADL:Instrumental Activity of Daily Living Index、身体合併症:Cumulative Illness Rating Scale in Geriatrics(CIRS-G)、栄養状態:Mini Nutritional Assessment(MNA)、認知機能:Mini Mental State Exam(MMSE)、精神状態:抑うつ:Patient Health Questionnaire-9(PHQ-9)、喫煙状況、飲酒状況を評価した。高齢者の脆弱性を評価する簡易スクリーニング尺度Vulnerable Elderly Scale(VES-13)における評価では、原版のカットオフ値である2/3点で評価すると、脆弱性ありと判定される患者が9人(6.6%)であった。また、認知機能をMMSEにおいて、臨床的に有意な認知機能障害のカットオフ値である23/24点で評価すると、認知機能に問題ありと判定される患者が19人(14.1%)であった。
2: おおむね順調に進展している
胸部手術を受ける高齢がん患者135名を登録し、ベースライン調査を終えた。
登録された高齢がん患者について、術前の身体・認知・社会機能について、高齢者包括的評価Comprehensive Geriatric Assessmentの各項目についてより詳細に分析する。また、周術期の合併症(身体合併症、手術関連死、せん妄)、入院期間、退院時の身体・認知・社会的機能を評価する。また、これらに関与するリスクファクターを同定する。さらに、ケアに必要とされたサービス(栄養管理、退院支援、理学療法、精神腫瘍科を含む)と抽出された問題点を評価する。
高齢者包括的評価CGAを実施するための人件費を計上する。解析のためにコンピューターならびに解析ソフト、ならびに、評価結果概要を研究協力者にただちにフィードバックするための小型プリンター・小型スキャナを購入する。
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