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2014 年度 実施状況報告書

分子生物学的手法を用いた乳癌テーラーメード高精度放射線治療の実現に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 24791259
研究機関北海道大学

研究代表者

木下 留美子  北海道大学, 大学病院, 助教 (70507582)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード乳癌 / 術後照射 / 陽子線治療
研究実績の概要

乳がんの術後陽子線治療の実現に向けて、陽子線治療の有用性を検討する目的で下記の研究を行った。
乳房温存術(乳房部分切除術およびセンチネルリンパ節生検)後に温存乳房およびリンパ節領域に対する照射を行う症例に対し、X線の放射線治療計画、①3D-CRT(Three dimensional conformal radiotherapy) ②IMRT (intensity modulated radiotherapy)、スポットスキャニング陽子線治療の治療計画を作成した。
ターゲットおよび正常組織は同一の治療計画装置(Pinnacle3 ver.9.0 Philips)を用い、ターゲットとして患側乳房およびレベルⅠ、Ⅱのリンパ節領域、正常組織は肺、心臓、健側の乳房を囲った。X線の治療計画はPinnacle3 を用いた。3D-CRTは接線照射でIMRTは4門でStep and shoot 方式で治療計画を作成した。陽子線治療計画はVQA(ver.3.0 Hitachi Ltd.)を用い、1門照射で照射野を形成した。
PTV(plannning target volume: 乳房およびレベルⅠ、Ⅱリンパ節領域)に対し50Gy/20frを処方した際に、患側肺の平均線量は3D-CRTが13.8Gy、IMRTが8.5Gy、陽子線治療は7.9Gyであり、陽子線治療はX線の治療計画と比較し、患側の肺の線量が低減されていた。乳癌の術後照射において温存乳房とリンパ節領域への照射を行う際に陽子線治療が有用である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

体表面近くのターゲットに対する治療計画、照射を行うための器具の薬事承認が当初予定よりもおそくなり、乳房に対する陽子線治療計画の施行開始が遅くなったため。

今後の研究の推進方策

乳癌の術後照射に対する陽子線治療の有用性を評価するため、複数の状況下でX線治療計画と陽子線治療計画の比較を行う。
具体的には左右別に乳房温存術後、乳房切除後の症例の比較を行う。

次年度使用額が生じた理由

乳がんに対する陽子線治療計画の立案開始が当初予定よりも遅れたため、研究の遂行が遅れ、学会発表が年度内に施行できず、学会参加費(旅費)の使用がなかったため。

次年度使用額の使用計画

X線による治療計画(3D-CRT,IMRT)および陽子線治療計画を複数の症例について行い、治療計画を比較を行い、結果を学会で発表する。学会参加のための旅費・参加費用に充てる。

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公開日: 2016-06-01  

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