研究概要 |
(1)マーカー移動のデータの検証 北大病院における肺癌動体追跡放射線治療(RTRT)患者で呼吸同期CTを撮像した11名について、肺内に留置したマーカー移動の照射中とCT撮像時の比較・検討を行い、発表した(照射中と4DCT撮像時の肺内マーカー移動の比較 第26回日本高精度放射線外部照射研究会 2013年2月23日 京都)。年齢69-89歳で中央値80歳、肺葉(上葉5, 中葉1, 下葉5)であった。データ取得時間は4DCTでは平均108秒(88-140)、RTRT時では1回照射あたり平均1014秒(395-1786)であった。4DCT画像での振幅は、左右方向(LR)平均3.9mm(1.9-6.4)、頭尾方向(CC)平均7.2mm (1.9-18.5)、腹背方向 (AP)平均5.3mm(3.4-8.4)。RTRT中における振幅は、LR平均6.6mm(1.7-12.6)、CC平均18.5mm(2.4-52.3)、AP平均9.5mm(2.3-17.9)。3方向のいずれも統計学的有意差(LR: P=0.0060, CC: P=0.0420, AP: P=0.0227)を認めた。さらに症例数を追加し、20名程度の症例数で学会発表準備中である。 また、当該年度の前半においては肺腫瘍の動きにも影響をあたえる胃についても、胃粘膜下に留置した金マーカーの動きについて解析し、発表した。 (2)各呼吸位相における動きの解析と予測モデル作成 (1)の結果をもとに、腫瘍中心の動きと各マーカーの動きが、呼吸位相の中のどの部分で適合し、どの部分で適合しないのかを検討すべく準備中である。
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