研究概要 |
(1) マーカー移動のデータの検証 北大病院における肺癌動体追跡放射線治療(RTRT)患者で呼吸同期CT(4DCT)を撮像した18名について、肺内に留置したマーカー移動の照射中 とCT撮像時の比較・検討を行い、口頭発表した(Can 4DCT Imaging Predict Lung Motion During Stereotactic Body Radiation Therapy? 2013年9月24日 アトランタ)。マーカーの最大振幅の平均は、4DCT MIPで左右3.6±1.3mm, 頭尾 6.8±4.5mm, 前後 5.4±2.6mmであった一方、RTRTログで左右5.7±2.9mm, 頭尾 14.4±16.3mm, 前後 8.1±4.3mmであり、左右・頭尾・前後の三方向いずれでも統計学的有意差(左右 p =0.0011, 頭尾 p =0.0391, 前後 p =0.0263)を認めた。腫瘍の存在部位ごとに同様の比較検討を行った。以上の結果から肺内留置マーカーの動きを最大振幅で比較すると、4DCTで測定した振幅は定位放射線治療中のRTRTシステムで得た追跡ログデータで観察された振幅よりも過小評価されていることが分かった。今後、さらに症例数を追加したうえで論文投稿に向けて準備中である。また、肺癌に対するRTRT施行を行った患者の治療成績に関しても解析し、同学会で発表した。 (2)各呼吸位相における動きの解析と予測モデル作成 (1)の結果をもとに、腫瘍中心の動きと各マーカーの動きが、呼吸位相の中のどの部分で適合し、どの部分で適合しないのかを320列CTで検討すべく準備中である。
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