研究課題
四次元動体追跡コーンビームCT(CBCT)撮影技術の開発を実施した。研究初年度は体内の動きの三次元データに基づいて実際のCBCT撮像条件および位相分割条件を想定した場合の投影画像の角度分布を解析し、四次元動体追跡再構成の実現性を検証した。また、動きのパターンと最適な撮像条件および位相分割条件に関する検討を行った。さらに、静止ファントムを撮影した投影画像を先述の角度分布に基づいて区分し、実際に再構成を行って位相分割時の再構成画質に関する基礎検討を行った。また、北海道大学の陽子線治療装置に搭載される位置決め用CBCT撮影システムと同等の幾何学配置を有するCBCT撮影試験装置を用いて、金マーカを埋入した動体ファントム(胸部ファントム)の二軸CBCT撮影試験を実施した。研究最終年度は、前年度に実施のCBCT撮影試験装置を用いた動体ファントム撮影試験で得られた画像の解析および金マーカー座標に基づく位相分割、四次元CBCT再構成を行った。位相区分のない全位相再構成画像と四次元再構成画像をそれぞれ作成し、四次元再構成の有効性および画質について評価した。また、金マーカーの三次元座標に基づいて放射線治療中の腫瘍の長周期・非周期的な運動(ベースラインシフト)の詳細な解析を実施した。この結果に基づき、放射線治療におけるCBCTを用いた三次元位置決めにおいて、本提案の四次元CBCT再構成手法は従来の位相分割再構成手法と比較して有利であることの見通しを得た。
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