研究課題/領域番号 |
24791263
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
真鍋 治 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40443957)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | MRI |
研究概要 |
まず最適なデータ収集を行うため、血液とMRI用造影剤の濃度比を変え、in vitroでphantom実験を行い、得られた信号値と造影剤の濃度比の関係を求めた。MRIでの検査方法の確認を行った。 その後、研究に参加してくれる健常者を募集し、安静時・薬剤負荷時のO-15標識水PETおよび、MRI検査を同時期に行い、データの蓄積を行った。MRIでは造影剤の検査を行うため、事前に腎機能の測定を行い、腎機能が低いと考えられた1人は除外した。負荷に用いたATPやMRIの造影剤で重篤な副作用は発生しなかった。 まず10人の健常者を対象とし、安静時及び負荷時のO-15標識水PETから得られた心筋血流量測定結果を参照し、Renkin-Crone modelを応用することで、MRIによる心筋血流定量測定を可能とするプログラミングソフトを開発した。mutual information maximization法により呼吸に伴う体動の補正を行った。 更に他の10人の健常者のデータを用いて、今回用いた方法および、計算式の妥当性を確認した。MRIから得られた心筋血流量は安静時・負荷時ともに、過去の健常人のPET検査で得られた値と比較し、妥当と考えられた。また、同時期に行われたO-15標識水PETから得られた値と良い相関を示し、妥当性が確認された。 inter-observer correlationを確認するため、2人の操作者による検討をおこなったところ、非常に高い再現性が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずMRIの撮像プロトコールの作成を行い、phantom実験を行った。健常者のリクルートが予定通り行われ、目標の20人の検査が達成できた。 検査から得られたデータを抽出し、プログラミングソフトの開発が行われ、MRIによる心筋血流量の測定が可能となった。 今回の方法や結果の妥当性の確認を行い、高いinter-observer correlationが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今までは健常者が対象ということで、左室心筋全体に関心領域を置くことで、心筋血流量の測定を行ってきたが、冠動脈疾患患者に結果を還元するため、少なくとも冠動脈領域毎の心筋血流量測定を行っていく予定である。 健常者で得られた結果を論文にし、国際誌への投稿を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
検査で用いられる負荷薬剤・造影剤・注射器・ルート器具等。 患者のデータを解析・データ保管のためのコンピューターおよびハードディスク、CD等。 検査、データ管理、資料作成のための人件費。 得られた研究結果を発表や最先端の研究内容をいち早く把握するための学会参加。 論文投稿をするための、英文校正費用や掲載料。 尚、3月に購入した物品については4月に支払いがなされるため、未使用額が生じています。
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