本研究の目的は、放射線治療による心筋障害の予測における、核医学画像診断の有用性を検討することである。早期食道癌に対する根治的化学放射線療法を施行した12症例を対象とし、治療前後の心筋脂肪酸代謝障害を、放射性薬剤(I-123 BMIPP)とSPECT/CTを用いて計測し、心筋への照射線量との相関を検討した。boost照射前・照射3ヶ月後では、心筋脂肪酸代謝障害と心筋照射線量に相関が見られたが、照射1年では、相関は認められなかった。本結果から、化学放射線療法後の長期的な心筋脂肪酸代謝障害は、心筋照射線量のみでは予測困難と考えられ、核医学画像診断は、長期的な心筋障害の予測に資する可能性が示唆された。
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