研究課題
最終年度に実施した研究成果1. 肺機能画像の作成と精度評価:4D-CT画像とdeformable image registration(DIR)を用いて肺機能画像を作成するシステムを構築した。また、そのシステムで作成した肺機能画像の精度評価を核医学検査の肺血流画像と比較することで実施した。両者の画像の一致は中程度の相関があり、4D-CTに基づく肺機能画像の臨床利用の可能性を示すことが出来た。2. 肺機能を考慮した放射線治療の有効性の検討:10名の体幹部定位放射線治療を施行した早期肺がん患者を対象に、従来の肺機能を考慮しない解剖学的構造に基づく治療計画と肺機能を考慮した治療計画を作成し、肺機能を考慮した治療では、腫瘍への線量を担保しながら高機能肺への線量を上手く低減できるかを明らかにすることで、その有効性を調査した。従来の治療計画法と比較し、腫瘍および全肺への線量評価指標を大きく変更せずに高機能肺への線量を低減できる可能性を示すことができた。研究期間全体を通して:4D-CT画像から肺機能画像を作成するために必要なDIRの技術開発および最適化を実施し、高精度なDIRを達成することが出来た。次にこのDIRを用いて4D-CTから肺機能画像を作成するシステムを構築し、肺機能画像の作成に成功した。核医学検査の肺血流画像と比較することでこの作成した肺機能画像の精度評価を実施し、臨床で使用できる可能性を示した。さらに、体幹部定位放射線治療における肺機能画像を考慮した放射線治療の有効性を検討し、従来の治療計画法と比較し、腫瘍および全肺への線量評価指標を大きく変更せずに高機能肺への線量を低減できる可能性を示すことができた。この結果から、4D-CTを用いた肺機能を考慮した放射線治療は、これまでの放射線治療と同等の安全性で実現できる可能性が高い。
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J Radiat Res
巻: Vol.55, Issue 1 ページ: 175-182
10.1093/jrr/rrt093