研究課題/領域番号 |
24791274
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
粟田 さち子 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (50513397)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | オートプシー・イメージング / 死後CT |
研究実績の概要 |
死後画像検査(オートプシー・イメージング)におけるヨード造影剤等を用いた造影検査の方法を確立するという研究目的で、造影の死後CT検査を行っている。最初に、滴下による造影検査が十分可能であることをガストログラフィンを用いた方法で確認した。造影される領域を心臓は心腔内、他血管はそれぞれの主要な動脈により分類し調べ、全ての例で造影剤が動脈内に注入されたことを確認することが出来た。動脈内の造影はすべて造影されることはなく、死後の血栓により造影されない領域、造影されづらい領域が出現した。血栓の状態は死因や死後の状況により左右され、鋳型状の血栓や流動性の血液就下が見られたが、それぞれ造影のされ方にも違いがあり、一定の結果は得られなかった。この血栓を除去することは滴下のみでは出来ず、改善されていない。そのため、25年度の目的である、一定の結果を得られるまで至っていない。臓器別にも造影の有無の評価を行った。生前には見られない造影が、肺、膵臓周囲、後腹膜で多く見られたが、すべての症例で見られるわけではなく、死後の時間ともはっきりとした関係はなかった。腹部臓器は生前のように造影される症例がみられた他、造影される領域が少ない症例もあった。特に腎臓の造影は他の臓器よりも造影される頻度が少なく、左右差もみられた。おそらく腎臓が背側にあり、死後の血栓が多く見られるためと思われるが、腎臓の造影が明瞭になされる方法は試すまでに至らず開発していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
造影効果が同一になる方法を模索する予定であったが、造影の方法を確立できていない。また、司法解剖予定のご遺体でも造影検査を検討しているが、体内の液体と造影剤が混ざることで液体量が解剖時に正確に測れない恐れあり、行うことができていない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度、26年度に引き続き、造影効果が同一になる方法を模索していく 造影される前の体内の液体量を正確に測れる方法を模索していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
体内の液体量(腹水、胸水、膀胱内尿貯留等)をCTから正確に計測できることを確認するため、画像解析ソフト及びコンピュータを購入予定であったが、昨年度は購入するソフトを比較し、検討するのみで購入するための予算等組むまで至らず決定することが出来なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
体内の液体量の計測のため、また、CTからある程度の液体の状態を確認できるかどうか見極めるため、画像解析ソフト及びコンピュータを購入する予定である。
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