ヒト神経膠芽腫細胞株を用いてX線および炭素イオン線を単回照射し、照射後24時間における細胞の遊走性について評価した。その結果、いずれの細胞においてもX線および炭素イオン線は細胞の遊走性を亢進し、X線に比べて炭素イオン線を照射したほうがより細胞の遊走性を高めることが明らかとなった。この照射による遊走性の亢進はLinear energy transfer (LET) 非依存的であった。 また、MGMTの発現を抑制するとその細胞の遊走性は亢進されることから、ヒト神経膠芽腫細胞における遊走能にはO6-メチルグアニンDNAメチルトランスフェラーゼ(MGMT)の発現が関与していることが明らかとなった。
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