ステムセルfeatureを有する混合型肝癌について,昨年度までの検討で,細胆管細胞癌亜型は特徴的な発育形態および画像所見を呈することが判明した。細胆管細胞癌亜型の診断基準を組織形態学的に小型腺管が癒合状あるいはコード状に増生する腫瘍ということで定義づけたところ,多数の肝内胆管癌で特に増殖先進部で細胆管癌様所見を呈することが判明した。 そこで,細胆管細胞癌亜型と末梢型腫瘤形成型肝内胆管癌との画像的特徴について,FDG-PETを用いて解析したところ,前者において低いSUV-max値を示すことが判明した。予後調査においても細胆管癌亜型は術後生存率が長く,肝内胆管癌と独立した癌腫と考えることができる。 細胆管細胞癌亜型と末梢型肝内胆管癌における癌遺伝子発現について,パラフィン切片を用いたNGSにて解析を行った。検討可能な症例において,細胆管癌亜型では末梢型肝内胆管癌で見られなかったKITなどに変異を認め,ステムセル由来の発癌が示唆された。
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