• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

高精細医用画像を用いた定位脳手術を支える脳深部核同定技法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24791289
研究機関名古屋大学

研究代表者

中根 俊樹  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60569789)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードMRI / 脳深部核 / 放射線科学
研究実績の概要

臨床的に期待される脳深部の核、特に治療において標的となる視床やその近傍の核を臨床用のMRI装置を用いて画像上で同定することを試みた。過去の報告に基づき視床内の亜核間でのT1値の差異に基づくコントラストを得るために、T1mapの撮像を試みたが、十分なコントラストは得られなかった。同様にT2値の差異の報告に基づき、T2mapの撮像を試みたが、やはり十分なコントラストは得られなかった。T2*mapにおいても同様であった。STIR-プロトン密度強調像において、視床内にてよく知られた白質成分である乳頭視床路については比較的明瞭な描出を得ることができた。T1mapの描出にも使用できるMP2RAGEの撮像においても、乳頭視床路の描出は良好であり、この点に関して2014年の日本磁気共鳴医学会において報告した。視床の亜核の描出には白質と灰白質とのコントラストが良好なことが一つの要件と思われ、この点を強調できるように撮像方法を工夫していく予定である。拡散について着目することで、この白質と灰白質との間でコントラストを得ることができるのではと期待している。神経線維の連絡や、脳機能画像を用いた亜核の分類についても注目していたが、これまでのところ画像による描出については適切な方法を見出すことができておらず、実現には未だ時間を要すると考えている。撮像により直接的にコントラストを得る方法としては、他に信号抑制の手法について、考察を深め、実験を行い確認したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初、10人の被験者について実験を施行することを予定していたが、現時点で8人のみである。目的とする脳深部核のコントラストを得ることは困難であったため、探索的な撮像方法の検索のために検討を要し、結果として実験を実施した被験者の数も予定には及ばず、実験のスケジュールは遅れた。

今後の研究の推進方策

MRIにおいては水や脂肪等の特定の組織の信号抑制の技術があるが、その応用として、白質や灰白質の信号を抑制することができる。今回のターゲットとなっている脳深部の核についても、白質と灰白質とのコントラストをつける信号抑制の技術に基づき、これまで得られたT1値等を参考にしたパラメータの設定による実験、考察を進めていきたい。その他、白質で高値となる拡散異方性の画像化においても、皮質とのコントラストに有効になると思われ、実験を進めていく予定である。また、これまでの成果を学会に発表していく。

次年度使用額が生じた理由

当初予定した実験の実施回数を下まわり、さらに、追加の実験を要する状況にあり、データ解析が遅れているため。また、予定していた学会発表、論文投稿を終了できていないため。

次年度使用額の使用計画

追加の実験を実施するのに必要な経費と、学会発表と論文投稿の経費が必要なため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 腫瘍性病変との鑑別が困難であった小児骨髄炎の1例2014

    • 著者名/発表者名
      伊藤倫太郎、中根俊樹、長縄慎二、濱 麻人、筑紫 聡、下山芳江
    • 雑誌名

      映像情報Medical

      巻: 46(6) ページ: 518-519

  • [学会発表] MP2RAGEを用いた乳頭視床路の抽出2014

    • 著者名/発表者名
      中根俊樹、川井 恒、長縄慎二
    • 学会等名
      第42回日本磁気共鳴医学会大会
    • 発表場所
      ホテルグランヴィア京都(京都府京都市下京区)
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-20

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi