研究課題
本研究では、組織傷害の初期段階において一過性に発現するテネイシン-C(TN-C)に対する抗体が、分子イメージング診断法に有用か否かを検討している。まず心筋炎モデルマウスの作製については、心筋に特異的発現するミオシンH鎖由来ペプチドMyHC-α614-629 [Ac-RSLKLMATLFSTYASADR-OH]を用いて行った。完全フロイントアジュバントと混和した当該ペプチドを背側皮下に2回(day0, 7)注入後、14日後に犠牲剖検して組織学的に評価した。その結果、注入した全てのマウスで心筋炎に特徴的な組織像となる炎症細胞浸潤が広範囲に認められた。さらに、TN-Cによる免疫染色を行った結果、炎症細胞浸潤領域を重複するようにTN-Cの発現が認められた。抗体発現においては、血清培地条件下でヒト培養細胞株HEK293を用いて抗体の発現を確認し、順次、無血清培地(SFMII)の含有率を上げて馴化作業を行い、無血清条件下においても抗体の発現が確認された。我々はさらなる抗体の増量化を行うため、接着している状態から浮遊化への形態変化を促し、体積当たりの細胞数の増加を試みた。その結果、抗体発現量の増加は見込まれているが、最終目標の動物実験の必要量まで得ることができなかった。本年度までに動物実験へ施行することはできなかったが、引き続き抗体を発現させて必要量を調製次第、心筋炎モデルマウスを用いた動物実験に移行する予定である。
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Acta Neurochir Suppl
巻: 120 ページ: 99-103
10.1007/978-3-319-04981-6_17.