研究課題/領域番号 |
24791295
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮部 結城 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60522505)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 4次元治療計画 / 呼吸性移動 / Deformable registration |
研究概要 |
呼吸性移動の再現性評価に関しては、治療計画時および治療時に取得したX線透視画像や胸壁マーカーの移動量などのデータを収集し、呼吸位相や体内臓器移動量の日内/日間変動の解析を開始した。引き続き症例数を加えて解析を進め、線量分布に及ぼす影響の評価や必要なマージンの検討のための基礎データを収集する予定である。 呼吸性移動の変動量が線量分布に及ぼす影響の評価に関して、まずDeformable image registration技術を用いた臓器変形移動量計算および4次元線量分布計算の精度評価を行った。肺定位放射線治療を施行した5症例の治療計画データを用いて、4次元CT画像の呼気位相から吸気位相への変形およびその逆の変形を行い、各呼吸位相に積算した線量を求めた。肺野内の血管や気管分岐部などの特徴点の移動量をマニュアルで計測した値を真としてDeformable registrationにより算出された移動量と比較したところ平均誤差1.5mm以下であり幾何学誤差は小さかったが、線量積算する位相の違いにより20Gy照射される肺野体積で最大1.3%、5Gy照射される肺野体積で最大3.7%の線量差が生じた。これは線量分布変形処理過程で肺野の密度変化による影響を正しく考慮できていないことにより生じた誤差であり、4次元線量計算において基準とする呼吸位相の選択によって積算される肺野線量を過大/過小評価してしまう可能性があることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
呼吸性移動の再現性評価については十分な症例数の解析データは得られなかったが、それ以外では計画通りに研究を進め、結果の一部は学会での報告も行った。データ収集については、もともとの計画通り平成25年度に引き続き行う。
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今後の研究の推進方策 |
近年、放射線治療における呼吸性移動などの動体への対応について関連学会で活発に議論されるようになっている。国内外での4次元放射線治療、治療計画に関する研究の最新情報を取り入れながら、また、自分の研究成果を積極的に学会等で発表を行い議論しながら研究を進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に研究成果の発表、論文執筆や情報収集のための学会参加費とその旅費に使用する。
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