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2012 年度 実施状況報告書

GPGPUを用いた高速・高精度ノイズ除去処理技術の脳画像研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24791296
研究種目

若手研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

大石 直也  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (40526878)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードMRI / PET / 脳 / ノイズ除去 / non-local means / GPGPU
研究概要

MRIやPETに代表される脳画像研究の進歩は、神経科学や臨床医学の発展に大きく寄与してきた。しかし、ハードウェアや撮像時間の制約に伴う脳画像の信号雑音(ノイズ)は解析や解釈上の障害となっている。このような現状を鑑み、申請者はノイズ除去性能が高い一方、計算コストが高く通常の手法では医用応用が困難であったNon-local means (NLM) filter等の高精度ノイズ除去アルゴリズムをGPGPUで高速化させたソフトウェアを開発した。本研究の目的は、このノイズ除去ソフトウェアをヒトおよび動物の脳MRI・PETに適応し、基礎・臨床応用の可能性を明らかにすることにある。
平成24年度では、高性能GPUを有するコンピュータを導入し、現在開発を行なっているCUDA 2.3より4.2に変更の上で、ソフトウェアをバージョンアップするとともに様々な最適化を図った。その結果、181×217×181 voxelの3次元頭部MRI画像に対して113/voxelで3D NLM filterを行った際の処理時間が旧バージョンの7.5秒(0.041sec/slice)から3.8(0.021sec/slice)と約1/2までさらに短縮化することに成功した。これは先行研究でのCPU(Xeon 3Gz×8)処理時間2780秒と比べると約1000倍の高速化となる。
さらに、上記で改良したソフトウェアをラット構造MRIに適応した。1.5テスラのみならず、現在他大学と共同研究を行なっている7テスラ小動物用MRIを用いて、ラットの構造MRIを取得し、NLM filterの有無でのセグメンテーション(灰白質・白質・脳脊髄液)精度を検証した。結果としては、NLM filterの適応により明瞭なセグメンテーション精度の改善を認め、繰り返し撮像の減少など撮像時間の短縮効果が期待された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

①ラット・マウスの構造MRI を用いたNLM ノイズ除去フィルタ性能の検証に関して。ラットについては計画に示した1.5テスラのみならず7テスラMRIを用いた検証も行えており、計画以上の目的を達成している。一方、マウスの検証は現在データ集積を推進中である。
②ラット・マウスの構造MRI を用いたセグメンテーション精度向上の検証に関して。上記①と同様ラットでは計画以上である。一方、マウスでの検証は現在進行中である。
③ラット・マウスの18F-FDG PET を用いた糖代謝画像へのノイズ除去性能の検証に関して。画像取得は行えているが、PET画像へのNLM filterの適応アルゴリズムを十分に検証できていない状況にある。
④GPGPU を用いた3D NLM ノイズ除去フィルタソフトウェアの改良に関して。高性能GPUを有するコンピュータを導入の上でソフトウェアのバージョンアップを行い、さらなる高速化に成功するなど、当初の計画以上に進展している状況にある。
上記を鑑み、計画はおおむね順調に進展しているものと判断した。

今後の研究の推進方策

現時点で、本研究はおおむね順調に進展しているため、平成25年度も当初の研究計画に基づいて推進していく。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Temporal lobe epilepsy with amygdala enlargement: a morphologic and functional study2014

    • 著者名/発表者名
      Takaya S, Ikeda A, Mitsueda-Ono T, Matsumoto R, Inouchi M, Namiki C, Oishi N, Mikuni N, Ishizu K, Takahashi R, Fukuyama H
    • 雑誌名

      J Neuroimaging

      巻: 24 ページ: 54-62

    • DOI

      10.1111/j.1552-6569.2011.00694.x.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Challenge to Diffuse Optical Tomography using the Radiative Transport Equation2012

    • 著者名/発表者名
      Oishi N, Fukuyama H.
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2012 IEEE International Conference on Complex Medical Engineering

      巻: 1 ページ: 261-266

    • DOI

      10.1109/ICCME.2012.6275595

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 認知症診断におけるマルチモーダルアプローチ①MRIのVBM2012

    • 著者名/発表者名
      大石直也
    • 雑誌名

      Cognition and Dementia

      巻: 11 ページ: 99-105

  • [学会発表] 自己組織化マップに基づくMCI患者の脳糖代謝分布パターンの分類2012

    • 著者名/発表者名
      大石直也、石津浩一、並木千尋、福山秀直
    • 学会等名
      第31回日本認知症学会学術集会
    • 発表場所
      筑波
    • 年月日
      20121027-20121027
  • [学会発表] 『PET/SPECTによる中枢系変性疾患の診断』~ 脳血流・糖代謝イメージング ~2012

    • 著者名/発表者名
      大石直也
    • 学会等名
      第28 回BFIC
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20120908-20120908
    • 招待講演
  • [学会発表] GPGPU for Medical Imaging2012

    • 著者名/発表者名
      Naoya Oishi
    • 学会等名
      Workshop on GPGPU/High-Accurate Computation 2012
    • 発表場所
      Arima, Japan
    • 年月日
      20120902-20120902
    • 招待講演
  • [学会発表] 自己組織化マップによる脳糖代謝分布パターン可視化の有用性-MCI患者での検討-2012

    • 著者名/発表者名
      大石直也、石津浩一、並木千尋、福山秀直
    • 学会等名
      第53回日本神経学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20120522-20120522

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公開日: 2014-07-24  

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