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2012 年度 実施状況報告書

線量不定性を考慮した強度変調放射線治療計画法および線量検証システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24791297
研究種目

若手研究(B)

研究機関新潟大学

研究代表者

宇都宮 悟  新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 特任助教 (50570868)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード医学物理学 / 強度変調放射線治療
研究概要

強度変調放射線治療(IMRT)において発生する線量不定性(治療で投与される線量の不確かさ)を定性的かつ定量的に把握することは治療精度の観点から重要であり、そのための基礎として、感度解析を用いた線量不定性の数学的なモデル化を行った。具体的には、照射時の患者セットアップエラーによる線量不定性をδDとすると、δDはδD(x,y,z,δx,δy,δz)^2=(∂D/∂x)^2 δx^2+(∂D/∂y)^2 δy^2+(∂D/∂z)^2 δz^2のように与えられる。この式の中で(∂D/ ∂x)、(∂D/ ∂y) および (∂D/ ∂z)はある点(x,y,z)における線量Dの空間座標x、y、zに対する偏微分である。 また、IMRT治療プランの線量体積ヒストグラム(DVH)において、あるDVH線量指標をAとすると、患者セットアップエラーによるAの不定性は同様にδA(δx,δy,δz)^2=(∂A/∂x)^2 δx^2+(∂A/∂y)^2 δy^2+(∂A/∂z)^2 δz^2と書くことができる。また、上記の数学モデルを前立腺IMRTプランに応用しその有用性を検証した。具体的にはCTV平均線量、直腸壁V60Gy、膀胱壁V70Gyの、患者セットアップエラーに対する線量不定性を実際に治療が行われた10患者の臨床プランにおいて解析した。その結果、患者ごとに異なる解剖学的差異を反映し、かつ治療プランのDVHを評価しているだけでは把握しきれない線量不定性の潜在的なリスクを数値化することができた。この成果は線量不定性モデルの臨床での有用性を示すものといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度中に研究代表者(宇都宮)の職場が京都大学から新潟大学に変わった関係で、研究を計画通りに遂行することができない時期があったため。

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」で述べた研究成果を学術論文にまとめて投稿する。平成24年度に開発した線量不定性モデルにMLC位置誤差、線量計算アルゴリズムの計算誤差、ビームモデリング・コミッショニングの誤差、をそれぞれ含める手法の検討・開発を行う。また、そのように拡張した線量不定性モデルを、実際に使用されている治療計画装置・IMRT治療プランに応用し、その有用性を示す。また、線量不定性を加味したIMRT品質保証の手法を検討する。

次年度の研究費の使用計画

「研究実績の概要」で述べた研究成果を発表するため、あるいは関連する研究の情報取集を行うために参加する学会旅費(国内およ国外)に使用する。学術論文の執筆に際しての英文翻訳料として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A feasibility study on reduction of the entrance-surface dose to neonates by use of a new digital mobile X-ray system.2013

    • 著者名/発表者名
      Utsunomiya S, Monzen H, Akimoto M, Mukumoto N, Ishihara Y, Shiinoki T, Nakamura M, Miyabe Y, Sato S, Matsuo S, Hiraoka M.
    • 雑誌名

      Radiological Physics and Technology

      巻: Volume 6, Issue 1 ページ: 157-61

    • DOI

      10.1007/s12194-012-0182-1

    • 査読あり
  • [学会発表] 感度解析を用いたIMRT治療プランの頑強性評価法の開発

    • 著者名/発表者名
      宇都宮悟
    • 学会等名
      第103回日本医学物理学会学術大会
    • 発表場所
      横浜市
  • [学会発表] 感度解析を用いた前立腺IMRT 治療プランの頑強性評価法とその臨床応用

    • 著者名/発表者名
      宇都宮悟
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第25回学術大会
    • 発表場所
      東京都

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公開日: 2014-07-24  

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