研究概要 |
シンチレーション検出器(サイズ:30 cm x 30 cm x 1 cm)、CCDカメラを用い、4MV-X線による照射を行った。シンチレーション検出器を用いた線量検証システム構築を最終目標としたため、基礎実験としてシンチレーション検出器からの発光(青白色)を輝度値でデジタル抽出するアプリケーションを開発した。研究開始当初、市販のデジタルビデオカメラで発光の検出を試みたが、光量不足となった。また光量増幅目的で検出感度を上げたところ、画像サンプリングレートが低下し、使用不可と判断した。本研究はリアルタイム性を重視しているため、時間分解能の高い光検出が必要不可欠となる。そのため、市販のデジタルビデオカメラでは不十分であり、CCDカメラの採用に至った。これより、最低被写体照度が0.1 LUX以上で光量検出できるカメラが必要であることがわかった。 ①ビーム出力の繰り返し再現性、②ビーム出力の直線性、③時間分解能の3項目について検討した。①および②ではビーム出力を1, 3, 5, 10, 20, 50 MUと変化させ、各出力で10回の計測を行った。リファレンスとして電離箱線量計を用いて同様の測定を行い、変動係数で評価した。電離箱線量計ではすべてのビーム出力範囲にわたり1%未満であった。シンチレーション検出器では5 MU以上で3%未満となった。②の直線性に関しては、1 MUを除くビーム出力範囲にわたりシンチレーション検出器では電離箱線量計と同等の直線性を示した。③の時間分解能に関しては、CCDカメラの撮像領域とCCDカメラとシンチレーション検出器との距離によってCCDカメラで検出できる1ピクセルサイズが変化する。ピクセルサイズが3.5mmを下回ると処理可能なフレーム速度が著しく低下した。(3.5mm/pixel以上では15fps)
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