研究課題
超高磁場11.7T磁気共鳴画像(MRI)装置を用いて、磁性粒子に標識されたマウス生体内の単球・マクロファージの動態を経時的に追跡する方法を確立した。超高磁場MRI装置の利用だけでなく、撮像対象である脳に最適化したプローブコイルの開発や撮像パラメータの改良、使用する磁性粒子の最適化によって、従来に比べ、格段に高い空間分解能を実現し、1細胞レベルの分布を生体マウス脳内で経時的に追跡することが可能であった。正常時および全身炎症時の末梢組織マクロファージの脳内への浸潤の時間的、量的な違いを観察することに成功した。病態発生時だけでなく、正常時においても、脳以外に存在する免疫細胞が脳内に浸潤することを視覚的に描出し、細胞の出入りを非侵襲で経時的に追跡した報告は過去になく、超高磁場MRIと我々の技術改良によって初めて観察したものであり、意義深い研究である。また、同方法を実験的脳虚血モデル動物に適応することにより、虚血障害部位に集積するマクロファージの時間的推移を追跡することが可能であった。超高磁場MRIと磁気粒子を利用した本法を他の病態モデル動物などに応用することで、病態進行や遅延に対する免疫細胞の関与をより詳細に解明することに繋がり、神経と免疫系のクロストークを視覚的に評価する新たな免疫細胞動態評価法となることが期待される。
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日本磁気共鳴医学会雑誌
巻: 34 ページ: 14-17
International Immunology
巻: 26 ページ: 93-101
10.1093/intimm/dxt044
http://biofunc.ifrec.osaka-u.ac.jp