脂肪組織にはエネルギー源の貯蔵や褐色脂肪組織の熱産生といった役割が知られているが、過剰な脂質が蓄積された肥満状態の脂肪組織は炎症状態にあり生活習慣病などの危険因子と考えられている。画像診断が肥満の判定に用いられるが、MRIでは脂質の構成成分を分離して測定することが可能である。 本研究ではMRIの測定手法の一つである多重共鳴法を用い、主に脂肪組織から得られる脂質構成成分毎の信号を画像化し、モデル動物を用いて定常状態から肥満に至る過程での信号変化を様々な条件下で測定した。その結果、肥満の形成にともなって飽和・不飽和鎖の信号分布が変化することが分かった。
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