当研究室では発癌に広く関与するとされるNF-κBが放射線抵抗性のマーカーとなることを臨床材料を用いて証明した。今回の研究ではNF-κBを用いて難治性腫瘍であるGBMの放射線抵抗性に関して検討を行った。 A) 放射線治療前の検体(手術検体)を用いたNF-κBの放射線予測因子としての有効性の検討:入手可能なGBMの放射線治療前の検体に対して免疫染色を施行し、NF-κB発現の有無を検討した。再発群、非再発群においてその発現率の差異が統計学的に有意かどうかを検討した。 B) 再発腫瘍についての検討:再発腫瘍においてNF-κB発現が増強されるというデータに基づいてGBMにおいても再発腫瘍を出来るだけ入手し、免疫染色を行い増強の有無を確認した。 C) NF-κB以外のマーカーについての検討:EGFR、bcl-2の分子生物学的マーカーにおいて放射線抵抗性との関係を検討しNF-κBとの比較を行った。 25年度は放射線治療前の検体(手術検体)の収集を継続し行っているが、症例不足のため現段階での統計学的な検討は不十分である。
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