3テスラ臨床MR装置を用いた高精度MRスペクトロスコピーにより、女性骨盤部病変における様々な代謝物を非侵襲的に定性的・定量的に解析し、良悪性の鑑別や特異的な組織診断における有用性を認めた。細胞膜代謝の指標であるcholineと組織レベルでの壊死傾向を反映するlipidのピークは良悪性の鑑別に有用と考えられた。機能性卵巣腫瘍である莢膜細胞腫の診断には細胞質内の脂質の検出が有効であり、骨盤部膿瘍の起炎菌の推定には嫌気性菌感染による解糖系の亢進や発酵に伴うacetateおよびsuccinateのピークの検出が有用な可能性が示唆された。
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